コーチ石川の感動日記

91.まず尊重

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私の散歩コース:知事公館

 気がついたら9月に入っていました。昨日どこにて、明日どこにいるのかも思い出せない毎日を生きています。多くの方がたと出会い、感動を共有できるこの仕事はかけかがえのないものと感じます。日々、達成感、充実感を感じると同時にまた、日々、反省の連続でもあります。

“部下のAさんに素直に話を聴いてもらうために、Kさんはどうしたらいいと思いますか?”
ある管理職の方とコーチングをしていました。
「・・・それが、もう、わからないんです」
“もし、Kさんが部下だとしたら、どういう言い方をされれば、素直に上司の言うことを聴けますか?”
「私はどういう言い方も何も、上司の言うことは納得できれば聴けます」
“Aさんに対するKさんの関わり方で、何か変えるとしたら何ができそうでしょうか?”
「もう、今までに本当にいろんなことをしてきたんです。でも、相手は変わらない。だから、これ以上、何をしていいかわからないんです」
“例えば、こんな言い方に変えたら素直に聴いてくれるかもしれない、という言い方はないでしょうか?”
「それも、いろいろやってみました。でも、ダメなんです」
“ほんと~に、Aさんに対してできることはすべておやりになったんですか?”
「・・・やりました」
“ほんっと~に?”
「やってきたつもりです・・・」
“あの、一つお伝えしていいですか? 変わらない相手が悪いというところにいると相手は変わらないんです。でも、こちらの態度を変えることによって、相手が変わるということはあると思うのですが、どうでしょう?”
「言っていることはわかるけど、・・・納得できない」

 このコーチングは全くうまくいきませんでした。結局、私はKさんから効果的な部下育成の方法を引き出すことができませんでした。ただ、Kさんに「やっぱり、何をやってもダメだ」という無力感を残しただけだったような気がします。

 ふりかえってみると、私は、
“Kさん、あなたに問題あるんです。あなたの態度を変えないとAさんは変わらない”という気持ちで、ずっとコーチングをしていたような気がします。この手の問題の多くは、上司が接し方を変えることによって、かなり解決されます。その経験から、私もKさんにアプローチをしていました。

  “Kさん、あなたが悪い!”。ずっとそのスタンスでKさんと話していました。そんなふうに思われていて、本音や前向きな気持ちが出てくるでしょうか。そうか、、、Kさんは今まで本当にいろいろおやりになってきたんだ。でもうまくいかなかった。まずはその気持ちを受けとめて、やってこられたことを承認してあげるべきだった。Kさんが一生懸命努力してこられたことをもっと尊重してあげるべきだった。自分のことを認めてもらえていないうちから、「行動を変えろ」というアプローチをされても素直に聴けないのは当然のことだ。

 コーチングではまず、コーチの相手に対するスタンスが大事。誰一人まちがっている人はいない。皆、よかれと思ってやっている。それをまず受けとめ、尊重する。
いろいろ偉そうに言っている私ですが、まだまだ修行中です。
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ハマナスも実になりました

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