コーチ石川の感動日記

104.心中してもいい

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お二人をお招きしてとても楽しいひとときでした!

【PHPコーチング・カンファレンス:
レポート①】

 今でこそ、北海道日本ハムファイターズのキャッチャーと言えば、「信二!」と言われる高橋信二選手ですが、二軍時代には不遇の時期があったようです。「お前はもう、二軍の練習にも参加しなくていいから」と言われたら、私だったら、他の道を探すかもしれません。

「高橋を私に預けてもらえませんか?」
「ああ、いいよ。好きにして」
ここから、白井一幸ヘッドコーチと高橋選手の別メニューの練習が始まりました。
「コーチたちが、自分のことをそんなふうに言っているのはわかっていました。でも、その時、白井さんが、自分のためにコーチたちと全力で闘ってくれているのを見て、もうこの人についていくしかない、と思いました」。
今回、白井一幸ヘッドコーチと共に、ゲストでお招きした高橋選手は、当時のことを思い出してそんなふうに語ってくださいました。

 「高橋には絶対に力がある、結果を出す選手だと信じていました」。高橋選手の隣で、照れも気負いもなくおっしゃる白井ヘッドコーチの言葉は、一昨年には一軍で4番を任せられるまでに成長した高橋選手の背中をずっと押してきたんだなぁと思いました。

「去年、満塁ホームランを打った試合で、打席に入る前に、白井さんが、“必ずストレートが来るから、そこを叩け”と指示しました。その一言で迷いが消えました。この人が言うことなら、と信じられました」
「白井さんとヒルマン監督がいなかったら、今の自分はないと思っています。心中してもいいと思ってます」
時々、照れなのか、冗談っぽく茶化しながら語る高橋選手の言葉には、しかし、不思議と真実味がこもっていました。

 今、結果が出ていない相手の可能性をどこまで信じられるのか。やれば伸びる人だとして関われるか。それを相手に熱く伝え続けられるか。コーチの能力の差はここに尽きると言ってもいい、とお二人のお話をうかがって感じました。「この人となら心中してもいい」と思わせる信頼関係、これに勝るスキル、テクニックが存在するでしょうか。

 講演が終わって、二人一緒にステージを降りられた後、白井ヘッドコーチが、高橋選手の背中に手を置いて、「お疲れ様!」とささやかれたのを私は見逃しませんでした。

 貴重なオフシーズンの1日、コーチング・カンファレンスにご出席くださり、本当にありがとうございました。北海道日本ハムファイターズの今シーズンの躍進を応援しています!

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