コーチ石川の感動日記

117.私の役割

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グラバー邸から長崎港を望む

 すみません。またまたすっかりご無沙汰です。6月は、初めて行く土地、長崎に出かけたりしていました。異国情緒漂う長崎に、私の愛する京都に匹敵する魅力を感じて帰ってきました。また行きたいです。

 さて、どんなに忙しくても、私には辞められない仕事があります。スケジュールが詰まってきても、優先したい仕事があります。高校生との就職カウンセリングの仕事です。高校にお邪魔して、50分間ずつ1対1で、就職活動に向かう準備や不安などについて話し合います。1対1で話を聴いている時間はあっという間にたっていきます。10分間の休憩時間の後に、次の子が入ってきます。気がつくと5時間ぐらい平気で過ぎているわけですが、不思議と疲れません。50分後、最初入ってきたときよりも明るい笑顔で帰っていく姿を見るとき、「ああ、この子も本当~にいい子だった」とじ~んとします。これがエネルギー源かもしれません。

 話を聴いているうちに、就職活動の話のはずが、家族の話になったり、友達関係の話になったりもします。でも、じっと聴きます。就職活動の話は十分にできないまま終わってしまうこともあります。

“ごめんね。時間なくなっちゃった。就職活動のことで、もっと考えておきたかったことはなかった?”
「いいんです。よかったです。親にも先生にも言えないことを聴いてもらえて。私、ちょっとわかった気がします」
こんな瞬間の感動をどんな言葉で表現したらよいのでしょう。

 親にも先生にも言えないことを初対面の私に率直に話して、自分自身で気づきを得て、さわやかに帰っていく。私はただ話を聴いてあげているだけです。こんな時、私は、キャリアカウンセラーとかコーチとか、そんな肩書きなど何も関係なく、私の能力とか意志とかも何も関係なく、ただ、「今、この子の話を聴いてあげなさい」と神様から、この子の前に座る役割を与えられているのだとしか思えない感覚を覚えます。この子の存在によって、自分の存在価値を全身で実感します。大きな喜びです。

 高校生を勇気づけたいと言いながら、本当に勇気づけられているのは、私の方だと感じます。私に出会ったことで元気になる人がいるように見えて、実は、この人のおかげで、私が自分の役割を認識させてもらえているのです。「人の話を聴く」役割を与えられていることの尊さを実感すると共に、出会う人への感謝の思いに満たされるこの頃です。

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荘厳!浦上天主堂
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とにかく、坂
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発見!ハートの敷石

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