148.すばらしいコーチング実践!
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札幌雪まつり:実際はもっともっと美しいです
私の本を読んでくださった、小学校の先生からメールをいただきました。実際の学校現場での実践事例を報告してくださいました。この本を通して、こうして何のつながりもなかった方とのご縁がつながる、そして、何かしら教育の現場に変化を作り出すきっかけになっている、ということがとても嬉しく甲斐を感じます。ほんの一部ですが、下記に紹介させていただきます。先生、本当にありがとうございました。
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宿題をやってこなかった子がいました。その子は以前からも度々やってこないことがある子です。始業式で自分の言葉かけを反省したばかりだったので、その子に対して「どうしてやってこなかったの?」と聞いてはいけないと自分に言い聞かせながら
「宿題をやってこなかった理由はなぁに?」と聞くと
「プリントがどこにあるか見つからなかったからやってこれませんでした」
「宿題のプリントをどこにしまったか一杯探した?」
「いいえ」
「プリントが見つからなきゃ、やってこれない理由になるから、見つけなきゃと言う思いより、宿題をやりたくないと言う気持ちがあったんじゃない?」
「はい。ありました」
「それで、やってこなくて良いことあった?」
「ありませんでした」
「と言うことは、やってきた方がいいと思ったんだね」
(頷く)
「じゃ、どんな方法なら宿題ができそう?どんな事があれば宿題をやる気がでそう?」
でもその子は答えず黙っていました。こんな聞き方じゃダメか!と思っていると
「何か楽しみがあればできるかも…」
と答えてくれました。黙っていたのは、何かいい方法がないか考えてくれていたのです。
私は嬉しくなって
「○○君にとって楽しみな事ってなぁに?」
すると元気な声で「ゲーム!!」
「じゃ宿題が終わったらゲームができると思ったら宿題も頑張れそう?」
「はいっ」
その子が笑顔で答えてくれました。始めはうつむき加減で渋い顔をしていた子が席に戻るときは笑顔で晴れやかな表情になっていたのです。私も爽やかな気持ちになり明日の朝が楽しみになりました。
その日以来、その子は宿題をきちんとやってきています(今のところ)。今までなら、
「駄目じゃない。しっかりやりなさい。君は良いもの持ってるのにこのままじゃ良いところが出せないままになるよ」なんて、脅かしの言葉かけしかしていなかった自分が恥ずかしくなりました。
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ちょっとだけ待ってもらえるだけで、子どもたちは自分なりの意見を言えるのだと思います。“だいじょうぶ。この子は自分で考えられる”そんな「信じて待つ」コミュニケーションが当たり前になるだけでも、子どもたちや教育が何か変わる気がします。