112.息子への謝罪
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札幌のコーチ仲間、Sコーチのことを私はいつも尊敬しています。コーチとして、ひたむきに学び、実践、チャレンジを続けられている姿勢にいつも打たれます。そんな、Sコーチからこんなお話をいただきました。おすそ分けです。
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今から10年以上も前のことなのだが、妻から息子に勉強を教えて欲しいと言われた時のこと。息子はまだ小学校の低学年だったのだが、私は『教える』ということにテンションが上昇していた。息子ができなかった算数の問題について、一生懸命解説して・・・
私 :「どうだ?解ったか?」
息子:「うん。解った」
私 :「よぉし!」
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そして数十分後に同じ問題の数字だけを変えて、また息子にやらせてみる。
私 :「どう?できた?」
息子:「解らない」
私 :「だって、さっきと同じ問題なんだよ」
息子:「・・・・・」
私 :「さっき『解った』っていったじゃないか!」
息子:「・・・・・」
私 :「なぜ嘘をつくんだ!!」
・・・と詰問を続けるうちに、息子はボロボロと大粒の涙を流し始める。
息子は嘘をつくというよりも、勉強を教えてくれる・・・という久しぶりの父親とのコミュニケーションが嬉しくて、私に喜んでもらおうという気持ちが勝って「解った」と言ってしまったんだろう。
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先日、家族4人で夕食をとっている時、私は現在コーチングで取り組みたいと思っていることを話した。その時、すでに成人となった息子から不意に、
「僕が子どもの頃、お父さんに勉強を教えてもらったんだけど、その時のやり方はどうだったんだろう?」と問われてしまった。
家族全員のちょっとした沈黙の後で、
私 :「実はね。その時のことを、今はものすごく反省しているんだ。なぜ、あんな教え方をしたんだろう・・・てね。お前には申し訳なかったと思っている」
息子:「ああ・・そうなんだ」
「子育てコーチング教室」を実施する時には、是非この体験談を伝えたいと思う。
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すでに「時効」と言ってもいい10年以上も前のこと、
素直に謝罪できるSコーチを私は心から尊敬します。