17.「立場をとる」ことの美しさ
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ここ数週間、とても忙しいながらも、“やりたいことをやる自分”でいたいと思いまして、目の下にクマを作りながら、ナイター観戦、コンサート、尊敬する岸英光コーチのおっかけ(=講演会のはしご)、「人体の不思議展」といろいろ行ってきました。“やればできる!”そんな充実感も味わっています。
久しぶりにクラシックのコンサートに行きました。札幌交響楽団、指揮は若干34歳の女流指揮者、西本智実さんです。私は、以前からどうしても彼女の指揮を生で見たいと思っていました。31歳の若さで、ロシア・ボリショイ交響楽団“ミレニウム”主席指揮者に就任。女性で東洋人というハンディを乗り越えて、自分の夢を叶えた人です。
世界の約500人のプロ指揮者の内、女性はわずか10名程度(注:2年ぐらい古いデータかもしれません)。彼女は、小学生の時から「指揮者になりたい」と思い始めたそうです。が、周囲の反応は「女性は無理!」。そりゃぁ、そうでしょう。常識的に考えたら。でも、西本智実さんはスゴイのです。「“無理”と言われれば言われるほど、“自分はなりたい”という意識が強くなった。“なりたい”という想いしかなかった」 この鋼鉄のような信念。すばらしいです。
クラシック音楽の世界は、非常に伝統的で保守的なところと言われます。そこで、異例尽くしのうら若き女性が実績を作っていくことは並大抵のことではないはずです。そんな西本さんの挑戦に想いを馳せながら、ステージ上の凛とした姿を間近に見たとき、私は、思いがけず、泣けてしまいました。自分でも“おい、どうしたんだ?”とびっくりするぐらい、ダァ~ッと涙が流れていました。しばらく、鼻水をすすりながら聴いていました。隣に座っていた人は、きっと「何事か?!」と思ったことでしょう。
どんなにハンディがあっても、バッシングがあっても、「やる」と決めて、ステージに立って自分を表現する潔さ、美しさ。私よりも年下の西本さんが、ハードルを乗り越えながら挑戦し続ける姿には鮮烈な迫力がありました。「立場をとる」ことの強さと美しさを見せていただけました。
今週も、何度か50代男性管理職、経営者の皆様の前に立たせていただいています。時に、怖じ気づきそうになる私は、西本さんが振ったチャイコフスキーの「ヴァイオリン協奏曲」を頭の中で響かせながら演台に向かいます。
私はコーチ。“コーチは常にチャレンジする”
・・・でしたよね?