19.月にも行ける!かも
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初夏の北大農場:市内の真中とは思えない風景~
コーチング・セッションをすればするほど、私は気張らなくなりました。コーチを始めたばかりの頃は、1回1回のセッションにものすごく気負いがありました。“かっこいい質問をしなくちゃ”、“レーザーのように鋭い質問で相手の目からウロコを落とさなくちゃ” 肩に力が入ったコーチングだったと思います。
Yさんとの面談コーチングでの出来事です。Yさんは、売上拡大のために新聞広告を打つことを思いつかれました。広告料もかかるわけですから、なんとか効果の高い広告を打ちたい、そのためにはどんな文言の広告を作ったらよいのか、それがYさんの目下のテーマでした。
Yさん:「どんな文章にしたらいいか、悩むところなんだよね~」
石川 :「その広告は、どんな人に見てほしいんですか?」
Yさん:「う~ん、、、やっぱり、商品のことをあんまり知らないで損をしている人たち。やっぱり 『主婦』かなあ~」
石川 :「その広告を読んだ人に、どんな気持ちになってもらえたら成功ですか?」
Yさん:「『よく知らなかったけど、けっこう損してるかも。ちょっと考え直した方がいいかな。とりあえず、相談してみようかな』って感じかな」
石川 :「広告を見た後、その人たちにはどんな行動を起こしてもらえたらいいんですか?」
Yさん:「う~ん、『なんだかよくわからないけど、ここに電話してみようかな』 まずは、そう思ってもらえたらいいかなぁ」
石川 :「じゃぁ、『いかに電話をかけてもらうかプロジェクト』ですね?」
Yさん:「そう。何て書いてあったら、『とりあえずちょっと電話してみようかな』と思うか、なんだよなぁ・・・」
石川 :「例えば、ですけど、、、電話したら、必ずその日の運勢を無料で教えてくれるとか?」
Yさん:「うーん、なるほど。そういうのもあるよね・・・」
石川 :「どうしたら、広告を見た人が電話をかけたくなるか、その方法を考えてみましょうよ」
Yさん:「電話をかけたくなると言ったら、主婦の皆さんにとっては、やっぱり、かけたら『お得』というものがないとね~。・・・そうかぁ、例えば、、、(※この間は、Yさんの企業秘密なので省略します。お許しを)
・・・なるほどね。自分は、ずーっと『どんな文章にするか』で行き詰まってたけど、よく考えたら、文章以外のやり方で引き付ける方法もあるんだよなあ。・・・コーチングっておもしろいねぇ。自分の中からこんな答えが出てくるとは思ってなかったよ。なるほどね~、感動した!」
石川 :「私も感動しました! Yさんは、本当にアイデア豊富ですね~。おもしろいものが出てきましたね。これから、いろいろ試せそうですね」
Yさん:「うん、なんか、わくわくしてきた。コーチングって、人を天才にするもんだね。なんだか、月にも行ける気分になってきた!」
“答えは相手の中にある”を実感させていただけた瞬間です。Yさんの常識にとらわれない柔軟な発想、「できる方法はないか?」という場所からの前向きな発想に大拍手でした。“答えは相手の中にある”を実感できると、コーチングはどんどん気張らないものになっていくようです。そして、「月に行ける」と思った人だけが、“月に行く方法”を発想できるのです。