220.だから、日本の子どもの自己肯定感は低いのだ!
コーチ業に携わるようになって、
あらためて日本の教育現場を見た時に、
私には違和感を覚えることがいくつかありました。
明らかに「?」と感じるカルチャーショックが
ありました。
その一つが「できていないことを指摘される」
環境です。
例えば、ある高校での就職セミナーに
講師として出かけた時のことです。
セミナーが始まる前に、教室の入り口で、
先生が参加する生徒の服装チェックを
されていました。
このチェックに合格できないと教室に
入れてもらえないのです。
「外部からわざわざ専門の先生をお呼び
しているのだから、失礼があってはならない」
というお気持ちからかもしれませんが、
せっかく教室の入り口まで来ている生徒を、
ネクタイをしめていないというだけで、
追い返してしまうのです。
どうして、「教室まで時間通りに来たこと」
のほうを承認できないのでしょうか。
このように、できていないところを指摘され、
テストも減点法で採点されていたら、
いつまでたっても
「今の自分ではまだ不十分だ」、
「自分にはダメなところがたくさんある」
という自己否定感は拭えないでしょう。
だから、コーチングで言うところの「承認」
相手の存在を肯定的に認め、言葉に出して、
もっと伝えていくことが必要なのだ、
日本の子どもは承認不足なんだと私は
思っていました。
でも、承認するだけでは、なかなか自己肯定感が
上がらない子どもにけっこう出会うのです。
どうして、承認も受け容れられないぐらい
自己否定が強いのだろう?と悲しくなることが
しばしばありました。
ところが、オランダの小学生たちを見た時に、
今さらですが、はたと気がついたのです。
「だから、日本の子どもたちは自己肯定感が
低いままなのだ!」と。
子どもばかりではない、大人もそうです。
「もっと自分に自信を持てるようになりたいです」
と言う人が実に多いです。
日本の子どもたちは、「自分で考え、自分で
決めて行動し、自分で評価もし、次につながる
省察を行う」という体験があまりに少ないのです。
だから、「自分の課題は自分で解決できる」、
「自分には目標を達成する力がある」、
「自分の人生は自分しだいなんだ」なんて
到底思えないのです。
“他人の評価によって、自分のイメージを
作り上げている人”があまりに多過ぎます!
それでは、いつまで経っても、幸せなど
実感できません。
やりたいことがあっても、他の人の目を
気にしてやらない人が本当に多い。
「人からどう思われるだろうか?」、
「私のように実績のない者がやるのは
恥ずかしい」、
「まず資格をとってから」と言う人が、
コーチングを学びにくる人の中にも
けっこういます。と言う私も、コーチングに
出会ったことで、ずいぶん変化したものの、
未だにその想いにとらわれる時があります。
これが、他人に評価され続けて
生きてきた結果です。
他人に「いいよ」と許可をもらわないと
何もできないなんて、
本当にそれでいいですか?
自分の人生なのに。
「他人の価値観や評価に振り回されて
生きるのはもうやめよう!」
オランダから帰国して、私自身もそう
心に誓いました。
そして、多くの人にこのメッセージを
届けたいと思いました。