26.お花を贈りたい上司
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いつもたいへんお世話になっている某社人材開発部門のS課長が職場異動されることになりました。私の大好きなS課長が異動されるとはまことに残念です。これまでの御礼の気持ちをどうしてもお伝えしたく、お花を持ってご挨拶にうかがいました。
S課長がまとめていらしたこの部門は、人材開発部門の中では“ピカ1”の職場だと私は常々思っていました。とにかく、皆さん、明るいのです。いつも冗談を言い合いながら、のびのびと楽しく前向きにお仕事をなさっています。上司と部下の間に変な壁がありません。とてもアットホームです。私は、「会社の人材育成に携わる部門」こそが、まず、こういう職場でなくてはならないと思うのです。ここは、人材育成部門のモデルのような職場です。
「課長が2年前にここに着任された日に、前の職場からお花が届いたんですよね。これはすごい課長が来られたなと思いました」 部下のお一人がおっしゃいました。「そして、今日も、こうして石川コーチからお花が届いて、課長の人生には常に花がありますね~」。S課長に何かの形で、感謝の気持ちをお伝えしたいと思った時に、私もどういうわけかお花を贈りたいと思ったんです。
「これまでいろんな上司の下で仕事をしてきたけれど、今が一番仕事しやすい」 常々、この部署の皆さんがおっしゃっていました。部下にこう言わせるS課長は、いつも、部下を高く評価していることを私にも話してくださっていました。いつも、にこにこしながら、完全に部下を信頼しきって、仕事を任せていらっしゃるように見えました。
上司はとかく部下を小さく扱いがちです。未熟な存在、指示命令しないと動けない存在と見てしまいます。部下よりキャリアのある上司にしてみれは、部下が頼りなく見えるのは当然のことかもしれません。しかし、S課長は、いつも、自分の部下を「できる存在」として扱っていらしたように思います。「うまくやれないんじゃないか」と思うと、つい口を出したくなります。でも、「彼(彼女)ならできる」と信頼していれば、余計なことを言わないで、じっと見守ることができます。そうすると、部下も萎縮しないでのびのびと仕事ができるようです。
まるで、自分の上司を他部署にとられるような、そんな気分を感じながら、S課長とお別れしました。いつかまた一緒にお仕事させていただける日がくることを願いつつ、S課長の今後ますますのご活躍をお祈りいたします。
S課長、本当にありがとうございました。