コーチ石川の感動日記

55.身体ではなく心を動かす

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 やっぱり、毎年カルチャーショックです。今年の雪もすごいですね。“いったい、この雪はどこから来てどこへ行くの?” 札幌市内でも遭難しそうです。“もう慣れちゃった”と勘違いしている私の目前で、「北海道をなめたらいかんぜよ!」(←なぜに土佐弁?)とばかりにこの冬も雪は降り積もりました。まいりました~。

 さて、先日、今年初めてファイターズの白井一幸ヘッドコーチとご一緒しました。某自治体様のコーチング講演会でした。オフシーズンの白井ヘッドコーチは、「一昨日も講演、昨日も講演、今日は2回講演、明日はスキー、明後日はまた講演・・・」こんなスケジュールのようです。私が申し上げるのは甚だ僭越ですが、ご一緒するたびに、講演内容、話術ともグレードアップしていらっしゃいます。笑わせるツボも心得ていらっしゃるようです。すばらしいです。コーチとしても講師としても学ばせていただくこと大!です。

 先日のお話の中で、一番、私の心に響いた言葉は、、、
「選手の身体を動かそうとしてもダメです。まず、心を動かさないと。心が動けば、身体が動くんです」

 う~ん、すばらしい! 名言です。これは企業の中でも通用する言葉です。とかく、上司は「あれをしろ、これをしろ、もっとがんばれ、問題意識持て、やる気出せ・・・」等々の言葉を使って、部下を動かそうとします。これで、部下が動けばこんなに簡単なことはありません。これでなぜ部下が動かないのか。「心」が動いていないんですね。

 ヘッドコーチは、毎月、選手全員(二軍も含めて)一人ひとりに宛ててお手紙を書いていらっしゃるそうです。今月の課題、よくなってきている点、励ましの言葉・・・等々。
“え?!・・・一人ひとりに?、ですか?・・・全員?、に? 毎月?”
「そうです」
“一人ひとり、各々違う内容で書かれるんですか?”
「もちろんです」
“全員って、70人ぐらいいらっしゃるんですよね?”
「ええ」
“はァ~、、、、すごい!・・・ですね・・・”
ステージ上で、closed questionのみを繰り返し、思わず絶句した私でした。

「選手はすごく喜んでいるみたいですよ。言葉でほめられるより嬉しいみたいです。毎月書くことで、選手の成長も確認できるし、いつも接点があるので、向こうからも話しかけやすいようです。コミュニケーションはとりやすくなっています」

 恐るべし、ファイターズのヘッドコーチ! これなら、選手の心は動くのでしょう。グランドやベンチの中で、声をかけて身体を動かそうとすることだけがコーチの仕事ではないのです。グランドに出て行く前にすでにコーチングのベースはできあがっているのですね。そして、それはコーチの労を惜しまぬたゆまぬアプローチの賜物。ただただ脱帽、でした。まいりました~。
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電話ボックスも遭難しそう・・・

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