62.手帳にはさんでいるもの
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クライアントのTさんは、70名ものスタッフを束ねるマネージャーです。チームとしての生産性をあげることに取り組まれています。
“Tさんが理想とする職場を作っていくためには、今やっていることの他にどんな方法がありそうですか?”
「う~ん、、、くだらないことなんですが、バースデーカードの予算を100円上げる、とか」
“はぁ~???”
Tさんは、自らバースデーカードを大量に買いに出かけ、70名のメンバーそれぞれの誕生日に、その人にふさわしいカードにその人にふさわしいメッセージを書いて贈っていらっしゃるのだそうです。それだけでも、“そりゃ、たいしたもんだ!”という話ですが、「やっぱ、飾り気のないのを送ると反応鈍いんですよね」という言葉にも非常に興味深いものを感じました。
“そういうもんですか”
「そういうもんなんですよね。『洋ナシ』の形したカード送った人なんか、無反応ですからね。『洋ナシ』はやっぱりまずいよね。『洋ナシ』(用なし)は・・・」
“・・・そ、そりゃあ、そうでしょ。まずいでしょ”
そんなTさんから、最近いただいたメールに、、、
「先日、いつものように、誕生日にカードを贈りました。そうしたら、その彼、カードの中の私が書いた中紙だけ、手帳に入れて持ってると見せてくれました。恥ずかしい感じでしたが、嬉しかったです!」とありました。
そういえば、以前、クライアントのAさんもそんな話をしてくれたのを思い出しました。
「今ではトップセールスの彼ですが、入ってきたばかりの頃は全然売れなくてね。いつも彼が外回りから帰ってくるのを待っていて、指導したり励ましたりしていたんだけど、ある時、どうしても彼が帰ってくる前に外出しなければならなくなって。そのへんのメモ用紙の切れ端に書き置きをして先に帰ったんですよ。
『今はすぐに結果が出なくても、君が今やっていることは将来必ず実を結ぶと私は信じています。今日は申しわけないが、用事があるので先に失礼します』
こんな内容だったと思います。それを彼は今でも手帳にはさんでとってるんですよ。もう10年以上も前のことですよ。もうボロボロになってしまったただの紙きれなんですけどね」
上司から自分だけに贈られた期待のメッセージ。その一言が、何年もその人を支えていくことって、あるんですね。それを見ると勇気がわいてくる、力がわいてくるもの、皆さんは、何か手帳にはさんでいるものがありますか?
私?ですか? 私は、白井ヘッドコーチとの2ショット写真ですよ。
あ、ちょっと違いましたか、失礼しました。