90.コミュニケーションの達人
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我が家は札幌駅から徒歩20分、自転車5分(がんばれば)の便利なところにあります。元気なときは歩けるのですが、荷物の多い出張帰りはダメです。つい、タクシー乗り場に足が向いてしまいます。でも、タクシーだと1メーターぐらいなんです。駅前でタクシーの長蛇の列に並んでやっとお客を乗せた運転手さんに住所を告げるのはちょっとためらわれます。「せっかく待ったのに、そんなに近いの?」と思われるんじゃないかと気を使ってしまいます。
なので、いつも枕詞を使います。“近くて申しわけないんですが、、、”。
ちょっとがっかり、という運転手さんもいます。私が勝手にそう思っているだけかもしれませんが。時々、愛想のいい運転手さんにあたるとほっとします。
「なんもなんも」。北海道弁で歓迎してくださると心あたたまります。
私の大きな荷物を見て、親しげに声をかけてくる運転手さんもいます。
「“おかえりなさい”ですか?“いらっしゃい”ですか?」
“ああ、今、札幌に戻ってきたところです”
「そうですか~!おかえり、なさい。お疲れ様~!」
(↑文字だけだと口調を十分に再現できないのが残念なのですが、、、)
ああ、なんとあたたかい言葉でしょうか。疲れた身にはそれだけでジーンときます。
「札幌も、涼しくなったね。もう秋だね!」
親しげに話しかけてくださいます。
「お客さん、出張多いんですか?」
“ええ、けっこう多いですね”
「そうですか。立派だね~」
“いや、別に、そんな、立派ってほどのことでは・・”
「あちこち飛び回ってらっしゃるんだね~。がんばってらっしゃるんだね~。よくやってらっしゃるね~」
“いえ、それほどでも・・・。でも、8月はけっこうきつかったですね~。この前はね、稚内に行きましてね・・・”
運転手さんの愛想のよさについつい口も軽くなっていく私です。
あっと言う間に自宅に到着。
「はい。お帰りなさい。今日はゆっくりお風呂に浸かって、休んでくださいね!」
最後まであたたかい運転手さんです。
“運転手さん、おつりはいいですから”
こんなとき、つい思わず言ってしまう私です。愛想のいい人には本当にかないません。わずかな出会いの中でも、相手をいい気分にさせるコミュニケーションがとれることは大きな「宝」だと感じます。
そういえば、北見駅でつい「宝くじ」を買ってしまったおばちゃんもとっても親しみのこもった応対でした。買う気のなかった私を「この人から買ってみようかな」と思わせた愛想でした。私が選んだ「宝くじ」を金ピカの招き猫の上において、「当たりますように」。両手を合わせて20秒ぐらい拝んでくれました。(おかげでかどうかはわかりませんが、3300円当たりました!)
つかの間出会う人でも幸せな気分にさせられる。そんな人でいたいですね~。