94.コーチングの目的は?
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マウイの虹~♪
コーチング研修をしておりますと、参加者の皆様の反応に何かいつも共通点を感じます。「ティーチング」と「コーチング」の違いから「コーチングとは何か」について、ご説明し始めると、『うん、うん、なるほど。たしかにコーチングって必要!』。だんだん前のめりになってこられます。「傾聴」,「承認」のお話などして、実際に体感していただくと、『やっぱり、聴かないとね~。認めなくちゃね~。うん、うん、大事!』。膝を打って納得してくださいます。そして、最もコーチングらしい「質問」のお話に移ったとたん、急に、皆さんの眉間にシワが寄り始めます。『う~ん、コーチングって難しい・・・』。
実際、「コーチングを体験してみましょう!」の時間になると、ますます『いや~、難しいです~』。判で押したような反応をされます。1ヵ月後のフォロー研修で、現場での実践結果をお訊きすると、『傾聴はなんとか意識してるんですけど、質問ができないんですよね~。何て質問したらいいのかわからなくなって。コーチングってなかなかできないですよね~』。
あの~、すみません。コーチングの目的って、「質問すること」だと思ってませんか? 本来のコーチングの目的を今一度、思い出してみませんか? コーチのサポートによって、その人が、目標達成に向かって自発的な行動を起こすこと。コーチとコミュニケーションをとることによって、確実に前進していくこと。などですよね?
「傾聴」,「承認」だけでやれることは、私はものすごくあると思っています。自分の話を口をはさまず最後まで聴いてくれる人がいる安心感、自分がどんなに失敗しても次は結果を出す人だとして扱ってくれる人がいる信頼感、これだけのものを得られたら、人は前を向いて歩いてみようと思えます。難しいのなら、変な質問をしようとしなくてもいいです。大きなことを成し遂げる人として尊重して向き合う。自分と話した後、相手が確実に前向きになっている。本当に大事なことはこのことです。
「質問」ができないから、コーチングは難しい、って思わないでください。「質問」のために、「傾聴」、「承認」まで放棄しないでください。10分の面談の中で、自分がいつも8分話しているとしたら、まず3分聴いてみてください。できたら5分聴いてみてください。相手との関係に何か変化が起こります。1ヶ月1回1時間の面談より、毎日5秒のコミュニケーション。こっちの方がずっと相手と信頼関係を築き、相手の自発性を引き出す上では効果的だと私は思っています。
私にはたくさんのコーチがいます。私のコーチたちはすごいです。話した後、いつも元気になれます。変な質問はしません。私の話を聴いた後で、
「だいじょうぶ!石川さんなら何でもできる!」
この言葉だけで、私をいつも動機付けます。